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練習問題

解説

 第 1 問

ワニザメに毛をむしり取られてしまった因幡の白兎は、大国主命の助言によりある植物を用いて傷を治します。さて因幡の白兎が使った植物は次のうちどれでしょう。

    ①  ドクダミ
    ②  ガマ
    ③  オトギリソウ
    ④  チガヤ

  • 正解: ガマ

ワニザメをだまし、怒らせたことにより毛をむしり取られてしまった因幡の白兎は、大国主命の助言により、体を蒲の黄で包んだところ、無事に毛が生えそろったと神話では伝えられています。  神話の通り、夏、ガマの穂が熟した頃に花粉を取って乾かしたものを蒲黄(ホオウ)と呼び、切り傷ややけどの薬として使っています。  また、ソーセージのような形をしたガマの穂は、秋になるとはじけてふわふわの綿のようになり、風に乗って飛んで分布を広げます。

 第 2 問

画像はある樹木の熟した実の写真です。この樹木の内樹皮を乾燥したものを黄蘗(オウバク)といい、実よりも苦味が強く、「陀羅尼助(だらにすけ)」という健胃整腸剤の主成分になっています。この樹木は次のうちのどれでしょうか。

    ①  シナノキ
    ②  エノキ
    ③  キハダ
    ④  ムクノキ

  • 正解: キハダ

選択肢1のシナノキ(アオイ科、旧シナノキ科)の果実は褐色、球形で柄に葉状の苞がついています。2のエノキ(アサ科、旧ニレ科)には卵状球形、赤褐色の果実がなります。4のムクノキ(アサ科、旧ニレ科)の果実は卵状球形で黒熟し、甘みがあり食べられます。
キハダはミカン科の樹木でコルク層の発達した外樹皮を持っています。内樹皮は黄色で、その生薬名を黄蘗(オウバク:キハダの別称でもある)といいます。黄蘗はきわめて苦く、ベルベリンというアルカロイドを含んでいます。ベルベリンの抗菌作用が健胃整腸剤として利用され、吉野や高野山では、黄蘗とセンブリ(リンドウ科の薬草)の根などから、「陀羅尼助」がつくられています。
陀羅尼は長いお経の名前で、お坊さんがこれを唱えるとき、睡魔を防ぐために口に含んだことから、陀羅尼助(だらにすけ)という名前がついたとされています。

 第 3 問

陰暦8月15日の満月は中秋の名月と呼ばれ、いろいろなお供えものをします。その中の1つから、中秋の名月は【 】名月とも呼ばれます。
【 】にあてはまるものは何でしょうか?

    ①  ハギ
    ②  イモ
    ③  クリ
    ④  ススキ

  • 正解: イモ

中秋の名月は別名、芋名月と呼ばれます。このころに穫れるサトイモ(イモ)の新芋を供えたからですが、その伝統はコメの団子を供えるよりも古い風習とみられています。この日、月に供える月見団子の頭をわざわざとがらせて、サトイモの形に似せて作るところもあります。
ススキはかざりますが、ススキ名月の名はありません。
また、陰暦9月13日にも芋名月、あるいは秋田・山形では栗名月ともいわれています。

 第 4 問

この植物はアフリカやアジアの熱帯で栽培されます。
この植物の実からは、日々の暮らしの中で多く消費される飲み物の原料となりますが、その飲み物とは何でしょうか?

    ①  オレンジジュース
    ②  ココア
    ③  コウチャ
    ④  コーヒー

  • 正解: コーヒー

コーヒーはアカネ科コーヒーノキ属数種の総称で、果実を加工して嗜好飲料に利用します。
コーヒーノキ属の植物は常緑の低木または高木で、約40種が熱帯に分布しています。葉は対生し、花は白色でそれぞれの葉腋に数個から10個ほどの花をいっせいに咲かせ、花冠は先が5つに分かれて広がり、直径2cmほどで強い芳香があります。果実は楕円体で長さは1.2〜1.6cmです。初めは緑色で、熟すと赤くなりますが、色素がなく黄色になるものもあります。薄い果皮の中には2つの堅い核があり、この核がコーヒー豆になります。
一般にコーヒーは夏季の低温に強く高温に弱いため、熱帯でも標高1000〜2000mの高地で多く栽培されています。収穫された果実は、乾燥式あるいは水洗式によってコーヒー豆を核および種皮からはずす加工がおこなわれます。現地で果実から加工処理されたコーヒーの生豆は、焙煎、粉砕、抽出という過程を経て、飲料用として用いられます。

 第 5 問

これはキク科のある植物の花の写真です。頭花はクリのイガのような形をしていて、針状の総苞片の先端は鉤状に曲がっています。実が熟すと、いわゆる「ひっつき虫」になって、衣服や動物の体にひっついて種が遠くへ運ばれ、分布を広げます。
何という植物でしょうか。

    ①  オナモミ
    ②  ノアザミ
    ③  ゴボウ
    ④  ベニバナ

  • 正解: ゴボウ



ゴボウはヨーロッパからアジアにかけて広く分布するキク科の二年草で、古い時代にわが国へ渡来しました。肉質の長い根は、独特の香りと歯応えで好まれ、キンピラや精進料理になくてはならない野菜ですが、食べるのは日本人だけで原産地では厄介ものの雑草です。夏にアザミのような花を咲かせ、熟した実は頭花ごと衣服や動物の毛などにひっついて遠くに運ばれます。
「マジックテープ(商標名)」の名で知られる面ファスナーは、スイス人のジョルジュ・デ・メストラルが山道を歩いていたき、服や犬の毛に付いたゴボウの頭花からヒントを得て考案したそうです。
挿入写真はロシア極東で撮影した原種の花で総苞片の先は問の栽培品の写真よりもずっと鋭い鉤針で、ひっついたらなかなかはずれません。

 第 6 問

伝統的遊戯の蹴鞠は、これを行う庭の四隅に4種の樹木を植えるのが正式とされています。東北隅にサクラ、西南隅にカエデ、西北隅にマツと決められていますが、東南隅には何の木を植えることになっているでしょうか?

    ①  ウメ
    ②  キリ
    ③  トチノキ
    ④  ヤナギ

  • 正解: ヤナギ

蹴鞠は、数人が革沓をはき、革製の鞠を地面に落とさずに、ある一定の高さを保持して蹴上げることをくり返し、その回数を競います。平安末期以後盛んに行われ、飛鳥井、難波両家が師範となってその伝統を伝えています。蹴鞠を行う庭は、鞠庭あるいは鞠壺と呼ばれます。この鞠庭は3間ないし4間四方で、四隅に4種の木を植え、これを四本懸と称します。
四本懸は、東北隅にサクラ、東南隅にヤナギ、西南隅にカエデ、西北隅にマツを配しますが、この位置は春夏秋冬をあらわします。つまり、春がサクラ、夏がヤナギ、秋がカエデ、冬がマツによって象徴されているのです。なかでも、ヤナギと蹴鞠との取り合わせは、その優美さが讃えられて別格扱いされるようになり、絵画や工芸の独立した主題としてもたいへん好まれました。

 第 7 問

東南アジア原産で熱帯地域で広く栽培されており、一般に食用とされる果実は房になってつき、実内に種子がありません。生食のほか、いためて料理に用いたりもします。
この植物は何でしょうか?

    ①  パイナップル
    ②  アボガド
    ③  ドリアン
    ④  バナナ

  • 正解: バナナ

バナナは東南アジア原産で、5,000年以上前から栽培されていたといわれます。現在栽培されているものは、野生の2種及びその雑種が起源であると考えられています。栽培バナナは3倍体か2倍体の単為結果を行う品種のため、種子はできませんが、野生種には種子ができます。バナナは日本で最も普通に行われている生食のほか、中国南部や東南アジアでは、炒めたり揚げたりして料理に使われ、その専用の品種もあり、花も炒めて食べる地域もあります。葉は大きく、切れ込みがないため、東南アジアではしばしば皿代わりに使われたり、弁当や蒸し物用に食品を包むのにも使われたりします。
葉柄や茎から繊維をとるアバカやイトバショウなどの種類もあります。これらの繊維は衣服や魚網に使われます。また、熱帯・亜熱帯地域では庭園用・景観用にも植えられるなど、多様な利用がなされています。

 第 8 問

江間章子作詞、中田喜直作曲『夏の思い出』は、「夏がくれば思い出す、はるかな尾瀬遠い空・・・」この歌い出しで知られる名曲ですが、その中で歌われている花は何でしょうか?

    ①  ミズバショウ
    ②  レンゲ
    ③  ニッコウキスゲ
    ④  スミレ

  • 正解: ミズバショウ

ミズバショウはサトイモ科の多年草です。主に中部以北の山地湿原に群生し、初夏に葉が出るのに先立って雪白色の花を咲かせます。尾瀬、鬼無里などがミズバショウで知られた場所です。NHKのラジオ歌謡で昭和24(1949)年に歌われて以来、ことのほか人気のある花になりました。このほかにも『あざみの歌』(八洲秀章作曲 昭和24年)、『白い花の咲く頃』(田村しげる作曲 昭和25年)などのヒット曲は皆さんの心の中に生きていることでしょう。

 第 9 問

枝の粘液を髪を整えるのに使っていたことから美男かずら(ビナンカズラ)の別名を持つ植物はどれでしょう。

    ①  サネカズラ
    ②  スイカズラ
    ③  ノウゼンカズラ
    ④  テイカカズラ

  • 正解: サネカズラ

サネカズラは常緑のツル性植物で、生け垣や庭木として植栽されています。秋に、みずみずしいきれいな赤い実を付けますが、鳥たちは食べず、冬まで実が残っているのを見かけます。 日本原産の植物で、ツルを短く切り、見ずに浸すと出てくる粘液を整髪料として使っていました。このため、おしゃれをして、かっこよくなった男性=美男と連想され、ビナンカズラの別名があります。

 第 10 問

公園や庭によく植えられるこの植物は、葉は互生し、枝は幹にやや平行した形にのび、花は8〜9月に咲き、おもに単片で紅紫色ですが、白花や八重咲きなど多くの園芸品種があります。
この植物は何でしょうか?

    ①  タチアオイ
    ②  ムクゲ
    ③  ノボタン
    ④  ハマナス

  • 正解: ムクゲ

ムクゲ(木槿)は、アオイ科フヨウ属の落葉低木で、韓国では国花に指定されています。花は一日花で、ふつう朝開いて夜にすぼみます。中国原産で日本への渡来時期は定かではありませんが、江戸時代から茶花として使われています。現代でも開花期は違いますが、ツバキに次いでポピュラーな茶花です。よく似たフヨウは、ムクゲより花が大きく、葉は掌状の卵形で葉柄が長いのが特徴です。

 第 11 問

ドイツの文豪ゲーテは、東洋から伝えられたある植物の葉を見て、そこに西洋と東洋を結ぶ象徴的な意味を認め、詩に書きました。
この植物は何でしょうか?

    ①  アカマツ
    ②  イチョウ
    ③  ヒノキ
    ④  ラカンマキ

  • 正解: イチョウ

イチョウは東洋と西洋の交流なかで不思議な位置にあります。17世紀末に長崎の出島に来たドイツ人医師ケンペルが西洋に紹介したのが始まりとされ、分類学の祖リンネが学名をつけたのです。『西東詩集』のなかで自分をペルシアの詩人になぞらえたゲーテ(1749〜1832)は、このイチョウが西洋に入ってきた歴史に関心を持ち、また、その独特な形をした葉に深く興味をひかれました。
ゲーテは「イチョウ」と題した詩の中で、「これは/もともと一枚の葉が/裂かれて二枚になったのでしょうか/それとも二枚の葉が相手を見つけて/一枚になったのでしょうか」と自問し、そこに西洋と東洋の、別物でありながら切り離せない関係を見ています。
イチョウは、一科一属一種の特殊な裸子植物です。化石によってこの仲間が古生代からあったことが確認できています。世界的にみて針葉が多い裸子植物グループでは数少ない広い葉をもちます。

 第 12 問

茎の両端を切って、両側から数か所切れ込みを入れて水につけると、水車ができます。軸を通して流れにつけると回りますが、次の中で一つ、うまく水車ができなかったものがありました。それはどれでしょうか?

    ①  イタドリの茎
    ②  タンポポの花茎
    ③  ヒマワリの若い茎
    ④  フキの花茎

  • 正解: ヒマワリの若い茎

中空の茎や花茎は表面よりも内部の方がよく水を吸収します。そのため、切れ込みを入れると、水を十分吸った内側の方が表面より少しのびるため、外側に反って巻きます。両端を切り、数か所の切れ込みを1cmほど入れると、切れ端がそれぞれ反転して水車のような形になります。また、これを鼓に見たて、タンポンという擬音からタンポポの名が起こったともいわれます。イタドリの方言にタンポポやタンポコ、タッポン、ヒガンバナの方言にもタンポポとタンポコの名があるのも同じ遊びからついたのでしょう。
ヒマワリの茎は、切れ込みを入れても反り返りません。

 第 13 問

東アジアに分布する常緑樹で、5〜6月に円錐形の花序に10〜20個の花を咲かせます。花はがくや花びらのない特殊なつくりをしており、名前は葉が枝先に輪生状につくことに由来します。
この植物は何でしょうか?

    ①  ヤマグルマ
    ②  センリョウ
    ③  マテバシイ
    ④  ヤツデ

  • 正解: ヤマグルマ

ヤマグルマの名は、葉が枝先に輪生状について車の車輪のように見えることからつきました。花はがくや花びらなどの花被片を欠き、めしべのまわりにたくさんのおしべが取り巻いていて、このおしべの色のために花全体が黄緑色に見えます。また、花の形態のみならず、ふつうの被子植物の特徴のひとつである導管を欠くという点でも特殊な植物です。導管を欠く被子植物はセンリョウ属やシキミモドキ科、そして遺伝子の解析から最も原始的な被子植物として注目されるアンボレラ科などにしばしば見られる特徴です。
この植物の樹皮から取れる粘着物質を使って鳥を取っていたことから、別名トリモチノキとも呼ばれています。

 第 14 問

虫などの小動物を捕まえて、それを栄養分として利用する植物を食虫植物といいます。次の植物の中で、食虫植物でないものはどれでしょうか?

    ①  ムシトリナデシコ
    ②  ムシトリスミレ
    ③  ムジナモ
    ④  タヌモモ

  • 正解: ムシトリナデシコ

食虫植物は光合成も営みますが、湿地、岩壁など、土壌が強酸性で養分が少ない特殊な環境で生育するため、不足する窒素・リン酸・カリなどの栄養を、昆虫や小動物を捕らえ消化・吸収して補っています。ムシトリスミレは葉の表面から出した粘液で捕虫し、ムジナモは葉身を二つに折って虫を閉じ込め、タヌキモは扉のついた袋状の捕虫嚢の中に小動物を捕虫します。
ムシトリナデシコは、花の基部や茎の上部に粘着性の分泌物を出す特徴があり、これに虫がよくつくことから、「虫取撫子」の名がありますが、消化・吸収しないので食虫植物ではありません。また、ムシトリビランジも、花序の下部に分泌物が出て粘つくのでムシトリの名がありますが、消化・吸収しません。似たものにチョウトリカズラがあります。蝶や蛾が花の蜜を吸い終わって長い管状の口器の吻管を抜くときに、雄しべの下のすきまにはさまって抜けなくなり、バタバタするので、捕まっているように見えることからチョウトリの名がありますが、食虫植物ではありません。

 第 15 問

シソ科の植物で、葉にはさわやかなレモンの香りがあり、属名のメリッサがラテン語で「蜜蜂」を意味するように、古代ギリシャの昔から蜜源植物となっていました。
この植物は何でしょうか?

    ①  レモンバーム
    ②  セージ
    ③  レモングラス
    ④  レモンタイム

  • 正解: レモンバーム

和名はセイヨウヤマハッカといいます。葉にはレモンに似た芳香と味があって、古くから有名な薬草です。特にこの新鮮な葉に湯を注いで作るハーブティーは、健康飲料として古くから生活に使われてきました。解熱作用、発汗作用があることから風邪をひいたとき、また、疲労を防ぐ効果から体力を消耗する暑い季節にも最適です。また、若さを保つ効果もあるとされ、このお茶を飲んで長生きしたという人々の逸話が多く残っています。属名のメリッサ(Melissa)はラテン語で蜜蜂を意味するように、古代ギリシャでは蜜蜂を採るための蜜源植物として尊ばれました。また、「バーム」とも呼ばれ、それはバルサム(balsum)の略語で芳香があるからです。肌を清潔になめらかにする効用から、入浴剤として、また気分を静める効用から枕の詰め物としても使われます。深く生活に結びついたハーブなのです。

 第 16 問

種子には毛がつき、この毛は繊維として利用され、種子はそれに含まれている油脂を精製し、食用油、せっけん、ろうそくなどの原料とされます。
この植物は何でしょうか?

    ①  ムクゲ
    ②  マツ
    ③  ワタ
    ④  ツバキ

  • 正解: ワタ

ワタの種子につく白い毛は自然散布を助ける役目をすると考えられています。野生種は毛が短いのですが、この毛に人間が着目し、繊維に使う目的で長毛を持つものが選抜されてきたと思われます。
この白い毛をつけた状態で乾燥させ、ドライフラワーとして楽しむことができます。また、毛を取ったものにワイヤーをあしらい、帽子や胸につける飾りを作ることもできます。

 第 17 問

これは二本のクロガネモチの木が、一本の枝でつながっている現象を示したものです。男女の深い契りのたとえに使われるこの現象はなんと呼ばれているでしょうか?

    ①  比翼の鳥
    ②  連理の枝
    ③  相合傘
    ④  合体木

  • 正解: 連理の枝

「連理の枝」とは、別々の個体の木の枝が何らかの原因で連なり、木理が通じている現象をいいます。
この現象は、通常では発生しませんが、放置された自然林内では、しばしば枝がこすれあい、いつしか癒着して木理が通じるようになります。同種はもちろん、異種であっても発生します。また、意図的に同じ個体の枝同士を癒着させスクリーンや椅子などを作るアートもあります。幹が根元から癒着し一体化した場合は合体木といい、直径が樹齢に比べて極端に太くなりますので古木の樹齢をめぐりしばしば議論になります。
白居易の「長恨歌」には、玄宗皇帝と楊貴妃の永遠の愛を誓った言葉として比翼の鳥と連理の枝が出てきます。比翼の鳥は、雌雄とも片方の翼なので二羽が合体しないと飛べない鳥のことで、中国の想像上の動物です。

 第 18 問

春から秋まで長いこと花壇を彩ってくれる花にサルビアがあります。そのサルビアの花の雄しべは少し変わっています。
どのように変わっているか、下記の中から選び番号で答えてください。

    ①  雄しべが雌しべと合着している
    ②  雄しべがT字型になっている
    ③  雄しべが1本しかない
    ④  たくさんの雄しべが基部で合着

  • 正解: 雄しべがT字型になっている

サルビアの花を縦に半分に引き裂いてみましょう。雌しべ1本と雄しべ2本があります。写真では半分に切ってあるので、1本しか見えませんが、雄しべは花びら(学術的には花冠)の左右の内側の脇から伸びています。そして、その上部はTの字になっていて、シーソーのようになっています。T字の上の横棒のうち、花の外側の方に伸びる側に葯がついています。虫が蜜を求めて花の中に入ってきた際に、シーソーの、葯のない側を頭部で上方に押し上げると、反対側にある葯のついた側が下がり、虫の腹部の背側に花粉がつくようになっているのです。こうしてサルビアは花粉を虫に運ばせています。ただ、サルビアの原産地の南米ではハチドリが蜜を吸うときに花粉を嘴の上部につけ、ハチドリに運ばせているようです。

 第 19 問

ヒガンバナには変った性質があり、葉と花が互いを見るようなことはありません。そのため「葉見ず花見ず」の名もあります。
ヒガンバナの葉はどんな性質を持っているのでしょうか?

    ①  葉は4月頃伸びて、6月頃に枯れる
    ②  葉は短くて地上から見えることはない
    ③  葉は花が終った後に伸び、冬の前に枯れる
    ④  葉は花が終った後に伸び、冬を越して春に枯れる

  • 正解: 葉は花が終った後に伸び、冬を越して春に枯れる

ヒガンバナはヒガンバナ科の多年草です。彼岸の頃になると約束したように花を開きます。地面から割りばしよりも少し太い花茎だけが伸びて、その先に赤い花をいくつも横向きにつけます。葉は、花が終った後、地上に伸びてきます。やや多肉質で細長く、先は少しとがっています。たくさんの濃い緑色の葉が伸びた状態で冬を越します。そして、春、桜が咲き出す頃になると黄色に変色し、やがて枯れてしまいます。
ヒガンバナの花には種子ができません。球根(鱗茎)が分かれてふえ、密集した大きな群落を作ります。この球根を太らせるため、葉は、他の多くの植物の葉が枯れている秋から冬の間に太陽の光を受けて光合成を盛んに行います。

 第 20 問

トレニアはアゼナ科(旧ゴマノハグサ科)の園芸植物で、初夏から秋にかけて花壇やプランターを彩ります。この植物にはあるおもしろい性質がありますが、それはどんなことでしょうか?

    ①  めしべにふれると柱頭が閉じる
    ②  熟した実にふれると勢いよく種子が飛ぶ
    ③  葉をちぎると黄色い汁が出る
    ④  根の先端がふくらんで小さなイモができる

  • 正解: めしべにふれると柱頭が閉じる

トレニア(ハナウリクサ)はインドシナ半島原産の園芸植物で、花壇やプランターの花として親しまれています。主に夏に紫色の花を横向きに咲かせることからナツスミレとも呼ばれますが、アゼナ科(旧ゴマノハグサ科)の植物です。花は初夏から秋まで長く咲き、ピンクや白の品種もあります。この花のめしべの先端部は、上下に開いたくちびるのような形をしており、ふれるとゆっくりと閉じます。虫が訪れて柱頭にふれると、それが刺激となって柱頭が閉じる仕組みになっているのです。これは傾震性と呼ぶ植物の運動によるもので、虫が運んできた花粉を封じ込めて脱落を防ぎ、自家受粉を防ぎ、また乾燥を防いで受精しやすくする働きがあるといわれます。ハエドクソウ科(旧ゴマノハグサ科)のミムラス(モンキーフラワー)、ノウゼンカズラ科のノウゼンカズラにも同様の仕組みがあります。