公園文化ロゴ

練習問題

解説

 第 1 問

料理店、特にウナギを焼く店や、焼肉店で使われる炭に、備長炭と言われる炭が有ります。紀伊半島が主産地で江戸時代の昔から作られています。
この炭は火もちが良く火力も強いため、とても重宝されています。また、この炭はブナ科の木を焼いて作りますが、その木の名前は何でしょうか?

    ①  クヌギ
    ②  アラカイ
    ③  スダジイ
    ④  ウバメガシ

  • 正解: ウバメガシ

ウバメガシは、ブナ科コナラ属の常緑樹です。神奈川県以西の暖地の海岸近くに育ち、特に紀伊半島と瀬戸内海の海岸には多くみることが出来ます。生長が遅く、樹高はブナ科の仲間では一番ちいさく10cmぐらいにしかならず、そのかわり材は非常にかたく、そのため木炭の材料としては大変優れています。
備長炭の由来は、元禄年間(1688〜1704)に紀州(今の和歌山県)の備後屋長右衛門が発明した白炭で、一般の黒炭よりも火力、火もちがとても良く、今でも料理店などで使用されています。
この他にも、庭木や生垣、和舟の艪材などにもなります。

 第 2 問

写真は、ある樹木の冬芽と葉痕(枝に残された葉の跡)を示しています。ビロードのような冬芽と、羊の顔のような葉痕を持つこの樹木は何でしょう。

    ①  ハリエンジュ
    ②  オオカメノキ
    ③  オニグルミ
    ④  キハダ

  • 正解: オニグルミ

冬芽には、寒さや乾燥から守るために、鱗(うろこ)状のもので覆われた鱗芽(りんが)と、鱗状のものがない(毛などでおおわれていることが多い)裸芽とがあります。写真のオニグルミは裸芽です。 葉痕は枝についていた葉(柄)が枯れて落ちた跡であり、目や鼻のように見えるものは、水分や養分の通り道の跡(維管束痕)なのです。葉痕には、問題のオニグルミのように、羊の顔のように見えるものや、ピエロの顔のようにみえるもの(キハダ)や、かわいい顔(オオカメノキ)や悪魔の顔(ハリエンジュ)のように見えるものあります。

 第 3 問

日本の西南部地域に野生する常緑の多年草で、初夏に緑色の花を咲かせて秋〜冬には果実が赤く色づきます。江戸時代には斑入りや小型の品種が作出され大流行しました。今日でも広く栽培されているこの植物の名前は何というでしょうか。

    ①  オモト
    ②  ジャノヒゲ
    ③  シュンラン
    ④  ギボウシ

  • 正解: オモト

ジャノヒゲの花は薄紫から白色、種子が青紫色です。シュンランは花が春咲きで果は緑色、斑入りの品種がありますが本格的な品種の選抜や鑑賞会の開催は明治以降になってからです。ギボウシは夏緑性で冬には葉がなくなります。オモト(万年青)は江戸時代にはすでに様々な品種が作出され、天保年間には江戸で「小万年青名寄(こおもとなよせ)」など色刷りの品種リストが発行されて人気を呼びました。今日でも古典園芸植物として江戸時代以来の鑑賞様式にのっとった展示会が開催されています。

 第 4 問

「垣根の 垣根の まがりかど・・・」と歌われる童謡『たき火』の中で歌われています。花は初冬に咲き、色は白が基本ですが、紅、淡紅、しぼりなどあります。
この植物は何でしょうか?

    ①  ツツジ
    ②  サザンカ
    ③  モクレン
    ④  マンサク

  • 正解: サザンカ

サザンカはツバキ科に属し、初冬の、花の少ない時期に花をつけるので喜ばれ、庭や生垣用として広く植えられています。花の色は自生種では白が基本です。
サザンカもツバキも、同じツバキ科ツバキ属なのでよく似ていますが、ツバキはおしべや花びらの下の部分が合わさって筒となっているのに、サザンカはおしべや花びらの下の部分が軽く合わさっているだけなので花が散るとき、ツバキのように花びらとおしべが一緒に落ちるのではなく、花びらがばらばらに散るのが特徴的です。
ところで童謡『たき火』(巽聖歌作詞・渡辺茂作曲)は、昭和16年12月の『NHK子供テキスト』で発表され、その月の「幼児の時間」で2日間放送されましたが、戦争で中止になりました。戦後、再び放送され、さらに小学校の教科書で採用されたこともあって、全国的に広まったといわれています。
最近は、住宅地に生垣が少なくなってきました。ですから「さざんか さざんか 咲いた道・・・」と歌うとき、中高年の人たちにはこの歌はなつかしいことでしょう。

 第 5 問

ダイコンの太い根は根と茎の一部が太くなったものです。水分や養分を吸い上げるためのひげ根はどのように生えているでしょうか?下図はダイコンのひげ根の生え方を模式的に表しています。一番近いものを選んで下さい。

    ①  ランダム
    ②  二列
    ③  三列
    ④  四列

  • 正解: 二列

ダイコンの太い根は根と茎の一部である胚軸と呼ばれる部分が一緒になって太く長くなりました。カイワレ大根で見られる白く細長い茎が胚軸で、水分や養分を吸い上げるひげ根はその下についています。成長したダイコンのひげ根は2列に並んでいます。お店で売られるダイコンではひげ根の多くはちぎれていますが、ひげ根の根元がえくぼのようにへこむのでひげ根の並ぶ様子が観察できます。

 第 6 問

中国・日本画の画法の中に、山水画様式で南宗画、あるい南画といわれる技法が有ります。文人画家が好んで描いたと言われる題材に、四君子と言われるものが有りますが、これはある植物四種を君子(徳が高く、品の有る人)に見立てたものです。
この四種の組合せの正しいのはどれでしょうか。番号でお答えください。

    ①  タケ・ウメ・キク・ラン
    ②  タケ・ウメ・ザクロ・マツ
    ③  ボタン・スイセン・ユリ・ヤナギ
    ④  ヤナギ・モモ・シャクヤク・ナンテン

  • 正解: タケ・ウメ・キク・ラン

四君子は、タケ、ウメ、キク、ランの四種の組合せの植物です。 中国では、タケは四季を通じ青々と茂り真っすぐに節目正しく生長することから俗気の無い君子の植物とされました。
ウメは、冬の寒さの中で、あたたかみの有る白い花びらと、気品のある香りをただよわせるウメは、万民が心を寄せる君子でしょう。
また、キクは古くから薬として利用され、日本への薬用としてもたらされたようです。中国では古くから、キクの花と葉と米をかもして作った菊酒は、不老長寿の霊酒とされ、重陽の節会には酒に菊花を浮かべて祝いました。また、霜の降りる寒い時期にもかかわらず凛として咲く菊は、君子と見るべきでしょう。
古来、ランは高雅な香と美しい姿により君子の花とされ国香として貴ばれました。以上を高潔な君子にたとえ、中国の文人達の余技として描かれ親しまれました。

 第 7 問

ドクダミの花には4枚の白い苞葉があります。1枚は大きく、1枚は小さく、2枚は中くらいの大きさです。開花する際この4枚の苞葉が展開する順序にはちょっとした特徴があります。
その特徴とはどれか、次の中から選び、番号で答えてください。

    ①  展開する順は個体ごとに異なる。
    ②  展開する順は花ごとに異なる。
    ③  全て、大→中→小の順に開く。
    ④  全て、小→中→大の順に開く。

  • 正解: 全て、大→中→小の順に開く。

ドクダミの1輪の花(植物学的には花序)はごく小さな花(小花といいます)がたくさん集まってできています。小花には花弁も萼片もなく、小さな苞葉が1つあります。ただ、花序の最下の4つの小花の苞葉だけは大きく目立ちます。それがドクダミの花のあの特徴的な白い十字です。この十字はよく見ると、大きさが異なり、大きい苞葉の反対側に小さい苞葉があり、残り2枚は中くらいの大きさで、直角の位置にあります。蕾のときに4枚の苞葉は花序を保護するため、初めに小さい苞葉が花序全体を包み、次に中くらいの2枚が左右から、最後に大きいのがそれらの苞葉ともども花序全体を包んでいます。ですから、苞葉に大中小があるのです。そして、花が開く際はこの逆の順に苞葉が展開するというわけです。

 第 8 問

春の七草の一つで、実の形が三味線の「ばち」に似ていることから、この音をまねて、「ぺんぺん草」あるいは「三味線草」と呼ばれています。
この植物は何でしょうか?

    ①  ハコベ
    ②  フジバカマ
    ③  ナズナ
    ④  ホトケノザ

  • 正解: ナズナ

春の七草の一つ、ナズナは、アブラナ科の植物で、日本全国で3月から6月にかけて花を咲かせます。その実が、ハート形で三味線の「ばち」に似ていることから、日本では昔から「ぺんぺん草」とも呼ばれています。「ぺんぺん」という言い回しで、三味線の音を表したわけです。江戸時代(18世紀後半)に出版された書物に、すでにこの名前が登場しています。
また、実のひとつひとつをそれぞれ茎から少しはがしてくるくる回すと、垂れ下がった実がぶつかり合って「シャリシャリ」と音が鳴ることから、子供のおもちゃとしても親しまれています。
ちなみに西洋に目を転じますと、ナズナの学名はその実の形から“bursa-pastoris”(羊飼いの財布)となっています。

 第 9 問

この図版は、江戸時代のはじめごろに出版された、着物の図案集に掲載された文様です。当時は、雪との組み合わせが好まれましたが、本来は暖地に生育する植物です。
この植物は何でしょうか?

    ①  バショウ
    ②  ソテツ
    ③  クズ
    ④  スイレン

  • 正解: バショウ

図版は、延宝5(1677)年に刊行された小袖雛形本『新板小袖御ひいなかた』に収載された「雪に芭蕉」の文様です。
バショウは暖地で生育する大型の多年生草本で、大きなものでは高さ4mほどになり、葉は長さ2〜3m、幅50cm以上にもなります。バショウ属の中では最も耐寒性の高い品種で、もっぱら観賞用に植栽されていました。
図版は、延宝5(1677)年に刊行された小袖雛形本『新板小袖御ひいなかた』に収載された「雪に芭蕉」の文様です。
江戸時代の百科事典ともいうべき、『和漢三才図会』によると、薩摩(鹿児島県)に多く分布し、畿内(京都・奈良・大阪周辺)でも寺院などに、まれにみられたといいます。しかし葉がもろく、強風などによってさけやすいため、一般の家では疎まれる傾向にありました。

 第 10 問

日本の愛唱歌の一つである『小さい秋みつけた』の3番の歌詞にでてくる樹木は何でしょうか?

    ①  センダン
    ②  ブナ
    ③  ハゼノキ
    ④  イロハカエデ

  • 正解: ハゼノキ

「誰かさんが誰かさんが誰かさんがみつけた・・・」とはじまる『小さい秋見つけた』は1955(昭和30)年に「NHK放送芸能祭・秋の祭典」で世に出て、その7年後には日本レコード大賞童謡賞にも輝きました。詩はサトウハチロー、作曲は『雪の降る街を』などでもおなじみの中田喜直。二人は『かわいいかくれんぼ』をはじめ、多くの童謡を生み出しています。3番の歌詞の後半には「むかしのむかしの風見の鶏の ぼやけたとさかにはぜの葉ひとつ はぜの葉あかくて入日色・・・」と歌われています。
ハゼノキの葉の紅葉は美しくあざやかです。ロウの原料ともなったことから、ロウノキの別名があります。東京都文京区のサトウハチローの自宅跡には、今でも秋になるとハゼノキが赤く色づいているそうです。ヌルデは同じウルシ科ですが、複葉の軸に翼が発達することなどで明らかに区別できます。また、ヌルデからはロウはとれません。
(JASRAC許諾 第J160722518号)

 第 11 問

フランスで1867年に作出された品種で、ハイブリッド・ティーの第1号として著名な品種はどれでしょうか?

    ①  エルゼ・ポールセン
    ②  ソレイユ・ドール
    ③  ラ・フランス
    ④  パケレット

  • 正解: ラ・フランス

バラは、世界各地の野生バラから交配がくり返され、多数の品種がつくられてきました。ハイブリッド・ティーは、ティー系の四季咲き性とハイブリッド・パーペチュアル系の大輪性と強健さとを合わせ持った品種群で、現在最も多数の品種を含む系統になっています。
1867年にフランスで作出されたラ・フランスはその第1号とされてきた品種です。第1号についてはさらに遡るべきとの説もありますが、ラ・フランスが第1号として長くいわれてきた著名な品種であることに変わりはありません。
なお、エルゼ・ポールセンはフロリバンダ系、ソレイユ・ドールはペルネシアナ系、パケレットはポリアンサ系の初期の品種です。

 第 12 問

この植物は、葉の形に特徴がありますが、何でしょうか?

    ①  ヒイラギ
    ②  ヒイラギナンテン
    ③  ヒイラギモクセイ
    ④  セイヨウヒイラギ

  • 正解: ヒイラギナンテン

選択肢は、どれもヒイラギやヒイラギに似た葉の縁がとがった植物です。これらの樹木は葉の形に特色があり、生け垣などによく利用されます。葉が堅くてさわると痛いので、生け垣の通り抜けを防ぐのにも効果的です。これらのうち、ヒイラギとヒイラギモクセイはモクセイ科で葉が対生、セイヨウヒイラギとシナヒイラギはモチノキ科で葉が互生です。
この植物はヒイラギナンテンで、ナンテンと同じメギ科です。メギには茎にとげがありますが、ヒイラギナンテンは葉がとがっているためか、茎にはとげがありません。葉は複葉で、1枚の葉が数枚の小葉に分かれています。葉は枝の先端近くに互生し、小葉は対生しています。花は小さいのですが、6枚の花びらと9枚のがく片が共に黄色でよく目立ちます。葉が複葉であることや花の形をみると、ヒイラギとははっきり区別することができます。原産地は中国で、日本には17世紀末ころに渡来したといわれています。

 第 13 問

1630年代にオランダでチューリップの球根の値段が急上昇したのは有名な話です。それからちょうど100年後、同じオランダで再び異常な人気を呼んだ球根植物があります。
その植物は何でしょうか?

    ①  アイリス
    ②  シクラメン
    ③  スイセン
    ④  ヒヤシンス

  • 正解: ヒヤシンス

ヒアシンスは、4〜5枚の線形の葉の間から、春に直立した花茎を伸ばし、青紫、赤、白、黄などの総状花序をつけます。ギリシャ、シリア、小アジアに自生していたキジカクシ科(旧ユリ科)の球根植物、世界各地で栽培されています。
チューリップと同じように、16世紀にトルコからヨーロッパに入ってきました。当初はさほど愛好家の関心を呼ばなかったのですが、1684年にオランダのある園芸家が前例のないような美しい八重咲き品種の栽培に成功し、それ以降、大変な人気を集めるようになり、1720年ころにはチューリップをしのぐ話題の花となりました。1736年、くしくもチューリップの球根相場が狂乱してからちょうど100年後、ヒヤシンスの人気は異常な高まりを見せます。最も貴重な品種では、一つの球根が1600ギルダーで売れたという記緑さえあります。当時の労働者のなんと5〜6年分の年収にあたります。幸い、多くの破産者を出したチューリップをめぐるかつての不幸な経験に学んで、ヒアシンスの球根相場は、翌年の1737年には早くも沈静化に向かいました。
17〜18世紀のオランダでは、花瓶の花をモチーフにした静物画の領域でたくさんの優品が制作されます。描かれた花を一つ一つ観察すると、時の移り変わりとともにどんな花が流行していたか、推測がつきます。たとえば17世紀前半までは、バラとチューリップがとりわけ好まれていますが、17世紀も終わりに近づくにつれ、ヒヤシンスが控えめながらも花の静物画のそこここに姿を見せるようになります。

 第 14 問

沖縄では、芭蕉布や八重山上布、宮古上布、久米島紬などの織物の生産が盛んです。これらの織物の染色には身近な植物からとれる染料を用いていますが、黄色の染料として用いる植物は次のうちどれでしょうか?

    ①  モクマオウ
    ②  フクギ
    ③  サトウキビ
    ④  リュウキュウアイ

  • 正解: フクギ

フクギはフクギ科(旧オトギリソウ科)の常緑樹です。沖縄県では家のまわりに防風林としてよく植えられています。木は成長が遅いのですが、強健で幹はまっすぐに伸び、葉もかたくて強く、下から上までびっしりついているので、台風からも家屋を守れるのです。
また、フクギは沖縄を代表する黄色染料で、他にはウコン、ヤマモモ、クチナシなども黄色染料として利用されます。フクギは樹皮を煮出して染料としますが、季節によっては枝葉でも染めます。

 第 15 問

鶴が、ある樹木の小枝をくわえた文様は【 】喰鶴文とよばれています。平安時代後期以降、鏡の鏡背や蒔絵の調度品などにさかんに用いられました。
【 】に入る植物は何でしょうか?

    ①  桜(サクラ)
    ②  松(マツ)
    ③  杉(スギ)
    ④  梅(ウメ)

  • 正解: 松(マツ)

松喰鶴文は、奈良時代に唐の影響のもとにさかんに用いられた鳳凰・鶴・鴛鴦・鸚鵡などが宝玉をつないだ綬帯や花の小枝・ブドウなどをくわえた花喰鳥文から変化したものと考えられています。花喰鳥文の起源はササン朝ペルシアにあり、中国・日本でさまざまに変容したとみられます。奈良時代の例は正倉院に収蔵されている工芸品に数多くみることができます。平安時代後期には、これまで受容してきた「唐風」の主題や様式を基盤としながら、それを換骨奪胎して日本の風土や好みに合った美意識のもとに「和風」の様式が成立します。文様も日本の自然風物にみられる草花・樹木・鳥獣がしばしば用いられます。松喰鶴文もこうした流れの中で生まれた文様の一つと考えられ、めでたい吉祥文としての意味もあります。写真は松喰鶴鏡(重要文化財 12世紀 径10.62cm、厚0.7cm 黒川古文化研究所蔵)です。

 第 16 問

お祝いごとによく登場し、さまざまなことを祈念する植物ですが、正しい組み合わせはどれでしょうか?
 【A】・・・長寿、家運の繁栄
 【B】・・・子孫繁栄
 【C】・・・君子の徳

    ①  A.マツ B.ウメ C.タケ
    ②  A.タケ B.マツ C.ウメ 
    ③  A.ウメ B.タケ C.マツ
    ④  A.マツ B.タケ C.ウメ 

  • 正解: A.マツ B.タケ C.ウメ 

マツ・タケ・ウメを「歳寒三友」と呼びますが、これは風雪や厳寒に耐えながら、一年中みどりを保つ「マツ」の持久力と、屈することなくすくすく伸びる「タケ」の成長力、そして早春、百花に先がけて花を開き、ふくよかに香る「ウメ」の生命力に捧げる賛辞で、中国の論語にちなむものです。これらの植物ののようにありたいと、お祝いごとで祈念されているのです。

 第 17 問

ウシ、ヒツジ、ヤギなどの反芻動物は、ある科の植物を食べすぎると鼓腸症という病気にかかり、症状が重いと死にいたることもあります。
この植物は何科でしょうか?

    ①  キク科
    ②  セリ科
    ③  マメ科
    ④  ワラビ科

  • 正解: マメ科

ウシやヒツジなどの反芻動物が鼓腸症にかかると左腹が急に太鼓のように膨れ上がります。これは第一胃にガスが充満するためで、針を腹に刺してガスを抜くなどの処置を怠ると、呼吸困難になり死んでしまうこともあります。鼓腸症はアルファルファ、ラジノクローバー、ホワイトクローバー(シロツメクサ)などのマメ科の生草を飽食したときに起こります。予防するために放牧地ではマメ科の牧草にイネ科の牧草を混ぜてまくことが行われています。また、マメ科だけの牧草地に放牧するときは、放牧前にイネ科の干し草やサイレージ(高水分の飼料)を食べさせて、鼓腸症の予防をしています。マメ科植物の草のなかにはサポニン類似物質が多量に含まれており、これが胃壁筋の運動力を阻害することで鼓腸症になると想定されています。

 第 18 問

江戸城を築いた太田道灌が、鷹狩の折、にわか雨にあい農家で雨具を借りようとしたところ、少女はある植物の花の一枝を差し出したという逸話があります。
この植物は何でしょうか?

    ①  ヤマブキ(山吹)
    ②  ツツジ(躑躅)
    ③  タチバナ(橘)
    ④  シャクナゲ(石楠花)

  • 正解: ヤマブキ(山吹)

江戸城を築いた室町時代の武将、太田道灌(1432〜1483)は歌人としても有名です。「山吹」の花一枝に少女が託した兼明親王(914〜987)の歌「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだになきぞわびしき」(『後拾遺集』では「なきぞわびしき」を「なきぞ悲しき」とする)を理解できなかったことを恥じて、以後、歌道にも精進したという話は有名です。
ヤマブキはバラ科に属し、春に黄金色(山吹色)の花が咲きます。花が重弁のヤエヤマブキは実をつけないことで知られています。上記の和歌では「実の一つ」と「蓑一つ」の音をかけて、蓑の持ち合わせがないことを示唆しています。
なお、挿絵の場所は「山吹の里」と呼ばれ、現在の高田馬場(東京都新宿区)の北にあったといわれています。

 第 19 問

『枕草子』の中にある植物について記述があります。
「いみじうふさやかにつやめきたる、いと青う清げなるに、 おもひかけず 似るべきもあらぬ茎はいとあかく きらきらしく見えたるこそ、あやしけれどをかし」
濃緑色の葉と紅色の葉柄との対比が美しいとしているこの植物は何でしょうか。

    ①  ナンテン
    ②  ツバキ
    ③  ユズリハ
    ④  サンゴミズキ

  • 正解: ユズリハ

『枕草子』にはさまざまな木が登場します。
その中で「ユズハリ」のことを、「非常にふさふさとして艶っぽくとても青く美しい葉に思いがけなくて似ても似つかない茎が赤くきらきらしてみえるのは、不思議な気持ちがするが興味深い。」と書いています。
新葉の生長後に旧葉が落ちるので譲葉と命名されたそうです。
その様子から世代交代が順調に行くという意味が付加され、縁起物として正月飾りにも使われるようになりました。

 第 20 問

地中海沿岸原産の常緑低木で、松葉のような細い葉からの強い香りがあり、古くから肉料理などに用いられ、また「思い出のシンボル」とされています。結婚式、葬式のどちらにも用いられました。
この植物は何でしょうか?

    ①  ラベンダー
    ②  ローレル
    ③  マートル
    ④  ローズマリー

  • 正解: ローズマリー

ローズマリーは、シソ科の常緑低木で、ヨーロッパなどではこの木の生垣もよくみられます。日本では迷迭香と書いて、マンネンロウと呼んでいます。この和名が出た最初の文献は、江戸中期にあらわされた平賀源内(1728〜1779)の『物類品隲』といわれています。属名のRosmarinusはラテン語のros(露)、marinus(海の)が語源で、海に面した崖などに生育していることをあらわしています。
古くから記憶の象徴とされ、古代ギリシャでも勉強中の学生がもの覚えをよくするために、この枝を髪にさしたといい、故人を忘れずにしのび続けるという意味をこめて葬式にも用いられました。シェークスピアの『ハムレット』の中には「ローズマリーは思い出のしるし」というオフィーリアのせりふがあります。枝葉は香りが強く、いつまでも残ることから「愛における貞節」のシンボルとされ、結婚式に花嫁が身につけるものとして欠かせないものでした。古い習慣には、きれいな色のシルクのリボンで束ねたローズマリーを「貞節」の証として、ブライドメイドが結婚式の朝に花婿に届けたものといわれています。
ハーブとしても重要で、料理ではラム肉のローストなど、くさみ消しのために使われます。花はふつう春から初夏に淡青の小花をつけ、観賞花木として多用されています。